同じ会社で違う現場で最近電気主任に着任された方が私の管理方法につい
て見学に来られました。私のこのBlog記事を毎日読んでるとの事ですから
時間の許す限り説明をさせて頂きました。どこの現場でも重要な漏電対応に
ついて、ここは私が担当してるビル内の第三変電室です。受電22000V⇒
一次変電6600V⇒二次変電100/200の中で二次変電の一つです。
111
こういう各電気室には接地端子盤というのが必ずあります。
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記号が見え難いけど左の青いクランプが挟んでる接地線が変圧器のB種接地
に各接続されてます。隣の黒いクランプが挟んでる接地線はA種接地配線です。
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B種接地の青は109mAでA種接地の黒は1mAしかない、B種接地はこの第三変
電室にあるすべての変圧器の漏れ電流(I0)が合成された値が流れるからこれ
だけの値があるのです。
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この接地端子盤のB種接地値を昼13時に測定するとして土日休みの事務所
ビルならほとんどでこんなグラフになります。稼動する機器が増えれば仮に
漏電はなくても対地間静電容量回路によるI0増加などで日中では昼間多く
夜中は最低値、月では休日に少ないという現象です。負荷の多い午後に測
定するのが適切と思います。各変圧器のB種接地電流は月例点検で測定
記録しますが毎日は各電気室のこの部分の総括値を測定しています。月末
にこういう感じで各電気室事にグラフ化して記録に残しています。現場設備
のボリュームで値は異なりますがほとんどで同じ変化をしますので大まかに
絶縁状態を示す記録として使えます。何かあればどういう管理をしているの
かを電気主任は追及されるので自分でその現場を見て誰にも説明し易い
管理をすべきと思います。各変圧器のB種接地電流値は測定した時はほぼ
一定に見えますが時間単位では昼間と深夜では差があるのです。ただそ
うであっても変圧器単体では50mA未満が管理基準です。
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毎月変圧器のB種接地線をリーククランプメーターで挟みI0を測定します。
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記録方法は自分が扱い易いスタイルでエクセルで作成すればいいです。
別に前任者の点検書式に縛られる必要はありません。
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各電気室のB種接地線電流は5~39mA程度です。ただ1台100mAを超えて
いたのです。これは前任者から引継いだ時点からで原因はわからず3年間
もその値は変化しないという話でした。漏電により50mAを超えてるならば確
実に短期間で値は上昇して放置すれば500mAにもなります。だからこれは
何か?というのが疑問でした。保安協会の方に相談したところ"一度I0rで
測定されみてください"とアドバイスを受けその時に会社にI0rクランプメー
ターを購入してもらい測定したら驚きの17mAしかないなんて?????
それなら大丈夫と保安協会より回答があったので安心しました。実際調査と
言っても飲食店が多数いるので無用な騒ぎはしたくないのです。ですがもし
I0rでも109mAならば絶対に原因調査が必要です。I0で50mAを超えたら
少なくとも安全かそうでないかの確認が必要です。その後5年経過しますが
その値は変化しません。急上昇すれば地絡警報が出るので未警戒で放置
してるわけではありません。
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I0rですから接地相以外の2相分の電圧入力も必要です。ですからI0で
50mA未満ならば無理にはI0rモードでは測定はしません。ここはこの位置
で電圧クリップするのが都合が良いのですが変圧器二次側~MCB一次側で
保護回路がないのです。電気事故を起こしたら危険な場所ですから私以外
はここではI0rは測定しない事にしています。テナントのMCB回路で漏電が
発生したら200mA以上は急に流れるので接地線を挟みI0で測定するだけ
で漏電してる変圧器の確認はできます。
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私のBlog読者の方には今更ですが変圧器での漏電を確認したら絶縁
バリアーを外して各系統でその変圧器で今出てるI0値と同程度の回路
を探すのです。これが変圧器地絡で一番最初にする行動です。ただこう
いう場所での作業は職場の他の人にはさせられません。そこで感電事
故を他人がしても私の責任は免れないわけですから立入り禁止にして
います。前任の電気主任もそうされていましたがこの点だけは私も同意
します。イザトラブルが発生したら知識だけの人に作業させるのは危険
ただ今は将来のリーダー候補として係長が人選した2名に電気を現場
で教えていて一人は私と同程度現場調査ができるのでどちらかが必ず
出勤してれば私がお休みの日でも電気対応の抜けはありません。
電気対応者の条件~1.冷静な行動ができる人2.視力低下のない人
3.少し手先の器用な人4.電気を理解できる人...該当しない人には
電気を触らせないというのが技術部長からの指示でもあります。会社
組織ですからその命令に私が反論する立場にはありません。又
正社員になるにはそういう人選で選ばれていかないといけないのが
今の時代なのです。
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それが3階とすればEPSで調べて更にターゲットを絞る、その回線に3店
舗が接続されてるならば各店舗主幹でI0を測定して漏電店舗を見つけ
ます。ELB回路で現場で停電してしまったならばメガで調査できますが主
幹MCB⇒子MCB回路では平気で店舗は営業してるのでできるだけ電気を
止めないで調査したいのです。又測定時にトリップボタンに指が触れない
様に十分に注意が必要です。自分が盤を操作してる時に店舗が全停電
するのだけは絶対に避けないといけません。テナントだけでない一般客
のいる場所で何か起こすとこうしたBlogで写真付で実名記事にされたら
稀にその会社への大打撃にもなるので営業中の調査は責任を伴います。
実際言えば絶縁が法定値を少し下回る程度なら営業終了後にしたとして
も火災になる事はないけど500mAも主幹で漏電してたら後でというわけ
にはいかないです。(その場合の絶縁値は確実に≒0MΩです)
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各子回路のI0値を測定していけば原因回路は50~100mAは高い値出て
るのですぐにわかります。判明したら店舗に許可を得てその回路だけメガ
測定を行い絶縁不良回路を確定させます。メガ測定方法で全停電した場
合、もしその店舗でなかった時に売上保障の話までされる方もいるので
お店で電気を止める行為は慎重にかつ最小限に行わないといけません。
漏電調査は電気を止めてする方法と活線状態の両方で行える様にしてお
くのと各EPSの回路にはどのテナントが接続されているか覚えておくか盤
のMCBのとこに記載を事前にしておきます。イザ漏電しても普段の準備が
できてないと慌てるので貴方も電気主任となられたら気をつけてください。
通常子回路のI0値は0.1~0.5mA未満です。
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テナントにあっては各責任者、店長の性格をよく把握しておかないとこちら
の都合で営業に制限をかけ様とすると調査ができなくなります。"ふざける
な帰れ"と当初は私言われました。店長ともなれば貴方より口も立ち激怒
させたら店に入るなと言われますから!テナント絡みのトラブルは原因は
物であっても人と人の感情が円滑にいかないといけません。オーナーも
テナントとトラブルを起こすのだけは敏感ですからそういうのを踏まえて
漏電時の対応策を自分で考えて行っています。つまり各現場しだいです
からこうしたら円滑に行く100%の答えなんてないです。"沈黙は金なり"
ですが要点にあっては絶対に後退せず電気主任として発言しないといけ
ません。その根拠はそれまでに測定で得た値です。クランプメーターを挟
む時に隙間を作り誤って表示された高いI0で正常店舗に漏電宣告をした
りメガ測定で塗装面にアースを接続しそのまま測定して原因がわからない
ミス又中高年の方で多いのが小数点表示を見落とす行為、中高年の方は
測定器のバックランプを点灯させて測定する事、正確な測定結果だけ
が自分の判断の正当性を証明できるのです。
たとえば一般動力1の変圧器回路のどこかで漏電が発生したら管理
PCのLGRという部分がRED点滅してピーピーと警報音が鳴ります。
選任電気主任技術者をされるなら変圧器地絡発生からテナント確定と
漏電回路までの調査が一人でもできる様に普段から研究しましょう。
★漏電調査は電気主任技術者の重要なスキルの一つ★中央監視PC
で変圧器LGR警報が発生したら電気主任である以上職場の皆さんは
一斉に貴方の顔を最初に見ますから...とにかく電気室で調査開始!
電気主任技術者になるとはそのビルの専属の電気屋さんです。
電気屋さんがまるでトラブル対応できないではテナントから苦情が
オーナーに出てしまいます。私も着任当初は対応不足でご迷惑を
かけましたが同じ失敗を二度しないというのが大切と思います。
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て見学に来られました。私のこのBlog記事を毎日読んでるとの事ですから
時間の許す限り説明をさせて頂きました。どこの現場でも重要な漏電対応に
ついて、ここは私が担当してるビル内の第三変電室です。受電22000V⇒
一次変電6600V⇒二次変電100/200の中で二次変電の一つです。

こういう各電気室には接地端子盤というのが必ずあります。

記号が見え難いけど左の青いクランプが挟んでる接地線が変圧器のB種接地
に各接続されてます。隣の黒いクランプが挟んでる接地線はA種接地配線です。

B種接地の青は109mAでA種接地の黒は1mAしかない、B種接地はこの第三変
電室にあるすべての変圧器の漏れ電流(I0)が合成された値が流れるからこれ
だけの値があるのです。

この接地端子盤のB種接地値を昼13時に測定するとして土日休みの事務所
ビルならほとんどでこんなグラフになります。稼動する機器が増えれば仮に
漏電はなくても対地間静電容量回路によるI0増加などで日中では昼間多く
夜中は最低値、月では休日に少ないという現象です。負荷の多い午後に測
定するのが適切と思います。各変圧器のB種接地電流は月例点検で測定
記録しますが毎日は各電気室のこの部分の総括値を測定しています。月末
にこういう感じで各電気室事にグラフ化して記録に残しています。現場設備
のボリュームで値は異なりますがほとんどで同じ変化をしますので大まかに
絶縁状態を示す記録として使えます。何かあればどういう管理をしているの
かを電気主任は追及されるので自分でその現場を見て誰にも説明し易い
管理をすべきと思います。各変圧器のB種接地電流値は測定した時はほぼ
一定に見えますが時間単位では昼間と深夜では差があるのです。ただそ
うであっても変圧器単体では50mA未満が管理基準です。

毎月変圧器のB種接地線をリーククランプメーターで挟みI0を測定します。

記録方法は自分が扱い易いスタイルでエクセルで作成すればいいです。
別に前任者の点検書式に縛られる必要はありません。

各電気室のB種接地線電流は5~39mA程度です。ただ1台100mAを超えて
いたのです。これは前任者から引継いだ時点からで原因はわからず3年間
もその値は変化しないという話でした。漏電により50mAを超えてるならば確
実に短期間で値は上昇して放置すれば500mAにもなります。だからこれは
何か?というのが疑問でした。保安協会の方に相談したところ"一度I0rで
測定されみてください"とアドバイスを受けその時に会社にI0rクランプメー
ターを購入してもらい測定したら驚きの17mAしかないなんて?????
それなら大丈夫と保安協会より回答があったので安心しました。実際調査と
言っても飲食店が多数いるので無用な騒ぎはしたくないのです。ですがもし
I0rでも109mAならば絶対に原因調査が必要です。I0で50mAを超えたら
少なくとも安全かそうでないかの確認が必要です。その後5年経過しますが
その値は変化しません。急上昇すれば地絡警報が出るので未警戒で放置
してるわけではありません。

I0rですから接地相以外の2相分の電圧入力も必要です。ですからI0で
50mA未満ならば無理にはI0rモードでは測定はしません。ここはこの位置
で電圧クリップするのが都合が良いのですが変圧器二次側~MCB一次側で
保護回路がないのです。電気事故を起こしたら危険な場所ですから私以外
はここではI0rは測定しない事にしています。テナントのMCB回路で漏電が
発生したら200mA以上は急に流れるので接地線を挟みI0で測定するだけ
で漏電してる変圧器の確認はできます。

私のBlog読者の方には今更ですが変圧器での漏電を確認したら絶縁
バリアーを外して各系統でその変圧器で今出てるI0値と同程度の回路
を探すのです。これが変圧器地絡で一番最初にする行動です。ただこう
いう場所での作業は職場の他の人にはさせられません。そこで感電事
故を他人がしても私の責任は免れないわけですから立入り禁止にして
います。前任の電気主任もそうされていましたがこの点だけは私も同意
します。イザトラブルが発生したら知識だけの人に作業させるのは危険
ただ今は将来のリーダー候補として係長が人選した2名に電気を現場
で教えていて一人は私と同程度現場調査ができるのでどちらかが必ず
出勤してれば私がお休みの日でも電気対応の抜けはありません。
電気対応者の条件~1.冷静な行動ができる人2.視力低下のない人
3.少し手先の器用な人4.電気を理解できる人...該当しない人には
電気を触らせないというのが技術部長からの指示でもあります。会社
組織ですからその命令に私が反論する立場にはありません。又
正社員になるにはそういう人選で選ばれていかないといけないのが
今の時代なのです。

それが3階とすればEPSで調べて更にターゲットを絞る、その回線に3店
舗が接続されてるならば各店舗主幹でI0を測定して漏電店舗を見つけ
ます。ELB回路で現場で停電してしまったならばメガで調査できますが主
幹MCB⇒子MCB回路では平気で店舗は営業してるのでできるだけ電気を
止めないで調査したいのです。又測定時にトリップボタンに指が触れない
様に十分に注意が必要です。自分が盤を操作してる時に店舗が全停電
するのだけは絶対に避けないといけません。テナントだけでない一般客
のいる場所で何か起こすとこうしたBlogで写真付で実名記事にされたら
稀にその会社への大打撃にもなるので営業中の調査は責任を伴います。
実際言えば絶縁が法定値を少し下回る程度なら営業終了後にしたとして
も火災になる事はないけど500mAも主幹で漏電してたら後でというわけ
にはいかないです。(その場合の絶縁値は確実に≒0MΩです)

各子回路のI0値を測定していけば原因回路は50~100mAは高い値出て
るのですぐにわかります。判明したら店舗に許可を得てその回路だけメガ
測定を行い絶縁不良回路を確定させます。メガ測定方法で全停電した場
合、もしその店舗でなかった時に売上保障の話までされる方もいるので
お店で電気を止める行為は慎重にかつ最小限に行わないといけません。
漏電調査は電気を止めてする方法と活線状態の両方で行える様にしてお
くのと各EPSの回路にはどのテナントが接続されているか覚えておくか盤
のMCBのとこに記載を事前にしておきます。イザ漏電しても普段の準備が
できてないと慌てるので貴方も電気主任となられたら気をつけてください。
通常子回路のI0値は0.1~0.5mA未満です。

テナントにあっては各責任者、店長の性格をよく把握しておかないとこちら
の都合で営業に制限をかけ様とすると調査ができなくなります。"ふざける
な帰れ"と当初は私言われました。店長ともなれば貴方より口も立ち激怒
させたら店に入るなと言われますから!テナント絡みのトラブルは原因は
物であっても人と人の感情が円滑にいかないといけません。オーナーも
テナントとトラブルを起こすのだけは敏感ですからそういうのを踏まえて
漏電時の対応策を自分で考えて行っています。つまり各現場しだいです
からこうしたら円滑に行く100%の答えなんてないです。"沈黙は金なり"
ですが要点にあっては絶対に後退せず電気主任として発言しないといけ
ません。その根拠はそれまでに測定で得た値です。クランプメーターを挟
む時に隙間を作り誤って表示された高いI0で正常店舗に漏電宣告をした
りメガ測定で塗装面にアースを接続しそのまま測定して原因がわからない
ミス又中高年の方で多いのが小数点表示を見落とす行為、中高年の方は
測定器のバックランプを点灯させて測定する事、正確な測定結果だけ
が自分の判断の正当性を証明できるのです。
たとえば一般動力1の変圧器回路のどこかで漏電が発生したら管理
PCのLGRという部分がRED点滅してピーピーと警報音が鳴ります。
選任電気主任技術者をされるなら変圧器地絡発生からテナント確定と
漏電回路までの調査が一人でもできる様に普段から研究しましょう。
★漏電調査は電気主任技術者の重要なスキルの一つ★中央監視PC
で変圧器LGR警報が発生したら電気主任である以上職場の皆さんは
一斉に貴方の顔を最初に見ますから...とにかく電気室で調査開始!
電気主任技術者になるとはそのビルの専属の電気屋さんです。
電気屋さんがまるでトラブル対応できないではテナントから苦情が
オーナーに出てしまいます。私も着任当初は対応不足でご迷惑を
かけましたが同じ失敗を二度しないというのが大切と思います。


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